元警察官ケイの警察ブログ

市民側からはわからない警察官の本当の姿を伝えるブログ

駐車違反を繰り返す違反者。その理由を聞いて驚いた。まさかそんな考えをする人がいるとは

交番勤務の時、駅前の繁華街で30歳くらいの女性を駐車違反で取り締まり、青切符で処理した

確認すると、その女性は駐車違反で取り締まりを受けるのはすでに数回目だった。

反則金だけで4~5万円以上払っていることになる

「こんなに反則金払ってるのになぜ改めないんですか?」

と聞いた。

返ってきた言葉に驚き、呆れ、「こんな意識で路上駐車繰り返すドライバーがいるのか」と本気で憤ってしまった

駐車違反を繰り返す理由について彼女は

「だって、有料パーキングにいれるとお金掛かりますよね。こうやって取締りを受けると確かに高い反則金払わなきゃいけない。でも毎回捕まるわけじゃない。いつもパーキングに入れてお金払うのと、いつも路上駐車して時々捕まって反則金払うのって、支払う金額そんなに変わらないと思うんです。」

この女性は、お金の損得で考えていたのだ

ここまで自分中心の思考しか持たない人間はそうはいない。

路上駐車がどれだけ迷惑で、渋滞を生み、事故を生み、人の命を危険にさらす行為か。

そんなことを一切考えていない。

私がその時勤務していた警察署の交通課に、どんな違反も絶対に許さない取締りのベテラン警部補がいた。

私はその人から、路上駐車であっても絶対に許さない理由を聞いたことがあり、その話を彼女にすることにした

そのベテラン警部補がまだ若かった時、3~4歳のこどもが死亡した交通事故の話。

彼の勤務していた交番からすぐ近くで発生した事故だった

「子どもがトラックにひかれた」との110番通報ですぐに現場に向かった

交番から近かったこともあり、110番入電から数分後には現場に到着した

現場に到着すると人だかりができていて、その中に入っていった。

30歳くらいの女性が地面に落ちているものを必死に拾っていた。

悲鳴のような大声を上げて同じ言葉を繰り返している。

近くに行って確認すると

その女性が拾っているのは、トラックにひかれて飛び散ったこどもの肉片だった

その女性はこどもの母親だった

叫んでいたのはこどもの名前だった

大型トラックにひかれた就学前のこどもの体はもう人間の形をしていなかった。

それでもその母親は必死に飛び散ったものを拾っていたらしい

事故の原因は路上駐車していた車の間からこどもが道路に出た瞬間、走ってきたトラックに轢かれたものだった。

この事故を見て以来、その警察官はどんな違反も絶対に許さなくなった。

 

駐車違反をお金の損得でしか考えていなかった女性にこの話をした。

それで彼女が変わったかどうか

それはわからないけど。

 

もし変わってくれていたら、私が残した仕事の成果なんだけどな

 

煽り運転して喜んでる姑息な人間たちが多いですね

そういう連中は自分が被害者にでもならない限りきっとわからないでしょう。

他の人が被害者になる前に、どっかで単独事故で死んでくれ。

軽い気持ちの違反や危険運転がどれだけ大変な事態を起こすか

そんな想像力はないでしょう