元警察官ケイの警察ブログ

市民側からはわからない警察官の本当の姿を伝えるブログ

ラブホテルの場所を交番に聞きにきた泥酔カップル。イチャつく二人に先輩がとった対応

駅前交番での勤務中。

時間は夜0時頃だったと思います。

もうすぐ終電の時刻。

20代前半くらいのカップルが交番にやってきました

服装、容姿、どこにでもいる標準的な感じです。

チンピラ風でもギャル風でもバカ男風でもありません。

交番に入ってきた時から腕を組んで、身体を密着させてベタベタ。

私「こんばんは。どうされましたか?」

 

男性「すいません。これから二人でホテル行きたいんですけど、この辺でおまわりさんお勧めのラブホテル教えてくれませんか」

すぐに酔っていることがわかりました。

隣では笑顔で男性の顔を見続ける女性。

酔ってイチャイチャして最高に幸せな時なんですね。それはよくわかります。

それを周りにも見せつけたいというカップルって確かにたくさんいます。

 

ウザっ

と思いながら私が思ったことは

確かにこの交番からは、歩いてすぐの距離にラブホ街がある
そこにはたくさんのラブホがある。

そして、実は私はその一帯のラブホは結構使っていたからそれなりに知っている。
こちらの記事→AV女優になった元カノ←で書いた彼女とよく行っていたのがこの一帯のラブホだったから。

しかし、このカップルにわざわざ本気で丁寧に情報を提供してあげようという気が起こらない。

むしろ、一番避けた方がいいホテルでも教えてやるか
それとも、適当にホテル街への方向だけ教えて追い払うか。

そう思っていたところ、パトカー勤務の先輩がいきなり割り込んで来てたのです。
この先輩、私と年齢はほとんど同じですが、私よりも数年先に警察官になっていた先輩です

悪い人ではないし、いいところも結構あるのですが、時々おかしい。

カップルとの会話に突然割り込んできたパトカー勤務の先輩。

年齢は私と同じ20代半ばです。

「どんなタイプのホテルがいいですか?けっこういろんなタイプのホテルがありますよ」

本気で対応し始めたのです。

「デラックスだけど料金高めとか、料金安めがいいならそれもありますし。」
地図を広げて男に語り始めた。

「こことここは止めた方がいいね。人気があるのはこことこと。もしかしたらこの時間だと空いてないかもしれない。ここのピザは中々おいしいよ。ここのホテルに行くならコンビニで買って行った方がいいね
「ここのホテルのベッドは他にはないもので・・」

カップルへの対応を完全に先輩に任せました。

なぜ先輩はこんなにも真剣に対応するのか。

聞いているうちにわかったのです。

このカップルと同じだ!

「おれには彼女がいて、お前らカップルと同じ、いやそれ以上に幸せで、その彼女とこの辺のラブホテルをよく使うから詳しく知ってるんだぞ。」

それを見せつけたかったようなのです。

ホテルの客観的な情報だけでなく、自分が使った時の感想や体験談まで語ってるんだからそうでしょう。

しかも嬉しそうに。

一通り話が終わって、カップルは立ち去って行きました。

しかしその後も、この先輩ボルテージは下がらなかったようで、
今度は私に向かってきました

「おい○○(私の名前)、いいラブホテルとダメなラブホテルをどこで見極める?」

私(ほとんどどうでもいいけど、先輩だからそうは言えない)
「そうですね。やっぱ料金と質が合致してるかですかね。」

どうせ何を言っても先輩の得意げな見極め方論を聞かされることはわかっていたので、本気で考えるきもない。

そうしたらやはり来ました来ました。

先輩「おれの経験からわかった絶対に間違いない見極め方を教えてやる。アメニティでわかる。アメニティってわかるか?シャンプーとか、歯ブラシとか化粧水とかのことだぞ。
あれでどうやって見極めるか。いいホテルは、シャンプーとかボディソープが一回使いきりの袋で用意されている。ダメなホテルは・・・・(うんたらかんたら)」

私(いや、それホテルに入ってからじゃないとわからないじゃん。どのホテルか選ぶ際にわかる方法じゃなきゃ意味ないんじゃないの?)と思いましたが、気分よく語っている先輩の気を害すようなことは言いません。それは功利主義的に見て自分にも損だからです。

先輩は、自分にも彼女がいて、自分もラブホテルに行って幸せな時間を過ごしていることを見せつけるのはここだ!と思ったようでした。

時々いきなり怒鳴りつけてきたりイヤなところもありましたが、でもいいところもたくさんある先輩でした。

交番勤務時代はお世話になりました