元警察官ケイの警察ブログ

市民側からはわからない警察官の本当の姿を伝えるブログ

記録的な大雪の日の勤務。雪の道路に肌着で寝ていた女の通報に行くと

大雪が降ると必ず思い出すパトカー勤務の時の思い出がある

これまでの人生の中でもとびきりの

「どうでもいいんだよ!」

という思い出

パトカーで雪道

警察官になって2年目の真冬

警察署のパトカー勤務だった頃

当番勤務だったその日は、朝から数年に一度の大雪になった

朝、署を出る前にパトカーにもチェーンを装備して出発した

「こんな日は犯罪は少ないだろう。交通事故の通報に追われるかもな」

パトカー勤務のペアである50代後半の警部補はこんなことを言っていた

昼間帯はその通りになった。

いつもと比べて盗難などの犯罪の通報は激減

その代わり交通事故の通報がいつもの2倍以上あった

それでもいつもの勤務と比べれば通報の少ない平穏な日中だった

雪は降り続き、街は真っ白な雪景色になった

私の住んでいる地域ではこんな景色になるのは数年に一回という規模の大雪だった

 

夜間帯に入った

日が暮れてからも通報は少なかった

しかし、もうすぐ日が変わろうかという0時前、私たちパトカーの管轄に110番指令が来た

「車道に女性らしき人が裸足で座っているという目撃者からの通報」

は?こんな大雪が積もってる日に?

「見間違いじゃねーのか、まったくこんな大雪の日にこんな通報で出なきゃいけないのか」

白髪の警部補とぼやきながら通報場所に向かった

交番の外に出ると、寒いというより痛いくらいのものすごい冷気が顔を突き刺してきた

 

どうせ見間違いだろう・・

そんな先入観を持ちながら通報場所付近に差し掛かると

ホントにいた・・

女性らしき人が座ってる

そしてホントに裸足

しかも肌着姿で

こういうやつ↓

女性の下着姿は大好きな私だが、この時は目を背けたくなった

その肌着姿の人は、60歳くらいの高齢の女性で、髪も服も顔もびしょびしょだ

雪女というよりゾンビに見える

まともじゃない

こんな大雪の中、肌着で裸足で外で座ってるなんて

あと1時間通報が遅ければ凍死して刑事課が不機嫌になる事態になってただろう

声を掛ける

「警察です。こんな雪の中どうしましたか?」

相手からの第一声でわかった

泥酔者だ

「うるさいなー!警察?何の用だよー」

そんな大声を出し続ける

しかし30秒に一回定期的に

「うーさっむいよー」というのを必ず挟んでくる

当たり前だろ

寒いよーとかいうレベルじゃない

冷蔵庫の中より寒いこの中でよく酔いが覚めないもんだ

自宅や氏名を聞いてもまともに答えられない

自分で酔っ払ってこんなことしているマダム様、

はっきり言って関わりたくないが、このまま放置して凍死でもしたらまた「警察の責任だ」とか言う面倒な連中に騒がれる

 

仕方がないから署に搬送し保護扱いとすることになった

パトカーに乗せる

車内でも「あーもうヤダよー、どこに連れていくんだよー」

30秒に一回

「うーさっむいよー」

 

私は無線で一報を入れる

「通報通り女性を発見。60歳くらいの女性が酩酊状態のため、これより署に搬送・・」

と言った瞬間だった

「あー!」とか「さっむいー」とか独り言のようなことしか言ってなかったその婆さんが大声で

60歳⁉️はぁ⁉️私しゃ57歳だ!

心の底から、本当に心の奥底から思った

どうでもいいんだよ!

大雪の極寒の中、こんなどうしようもない酔っ払いのために外に出て、とびっきりの「どうでもいい」を叫んだ大雪の日の勤務だった

年齢なんかいいから住所思い出せよ そうすれば引き渡せるのに

早く交番に戻って熱湯でカップラーメンでも食べたい

そう思いながら後部座席から定期的に聞こえる「さっむーい」にイライラしながら雪道を署に向かった

ちゃんと脱がしたくなるような女性の下着姿を見てこの腹の虫を鎮めたい

 

明日の夜勤明けは、早く上がれたら真っ先にしたいことは決まった

 

大雪の日には必ず思い出すパトカー勤務の時の思い出だ

また今度大雪が降ったら刑事課の時の大雪の思い出もブログに書こうと思う