元警察官ケイの警察ブログ

市民側からはわからない警察官の本当の姿を伝えるブログ

警察官の年齢と階級の関係は4つのタイプがある。50代でも巡査長の人、30代で警部の人

すべての警察官には必ず階級があります

一番下が「巡査」から始まり、上がっていくと警部補警部警視など

階級を上げるには、内部で行われる「昇任試験」に合格することが必要です。

試験内容は暗記力を問う記述問題や面接・実技など

 

階級がどれくらいのペースで上がっていくかは、個人によってまったくちがいます

一発合格を続け、若くしてどんどん上がっていく人もいます。30歳代で警部まで上がったら超スピード出世ペース

逆に50歳代でも、一度も昇任試験に合格したことがなくて巡査(巡査長)の人もいます

私が見てきた中で、この「年齢と階級」については、4つのタイプの人たちがいましたので、それを紹介します

警察の階級

1、年齢は高いのに階級は低いままの人たち2タイプ

年齢は50歳を過ぎて大ベテランの領域に入っているのに、階級は巡査(巡査長)のままの警察官たちです。

この警察官たちは二つのタイプに分かれます

階級が低いからといってダメな警察官とは限りません。

むしろ階級を上げることばかり考えている警察官よりずっとずっと必要な人材だったりします

 

1、実務はできるけど階級に興味がないだけの人

一つ目がこのタイプです

自分の専門の仕事のスキルはずば抜けている

刑事の仕事、鑑識の仕事、職質で捕まえるプロ・・・

こういった自分の専門の仕事についてはずば抜けている。経験も豊富。

後輩から質問されてもわからないことはなく、上司や幹部からも頼りにされる存在。

でも、、

階級を上げることに全然興味がない

だから昇任試験の勉強もしないし、そもそも試験を受けない

こういうタイプの人です

どこの署にも、どの課にも一人はいるタイプ

こういう人は階級は低くても周りからは一目置かれ、敬意を持たれています

 

仕事の能力に対して階級が低すぎるということから、幹部から

「頼むから昇任試験受けてくれ」と逆に頼まれている人さえいました

このタイプの人は、階級が低いからといって決して使えない人材などではありません

むしろ階級を上げることばかり考えている警察官より社会にとって貴重な人材です

 

2、警察官としての熱意を完全に失ってしまった人

二つ目のタイプがこの人たち

とにかく仕事したくない

残りの警察人生、仕事量も責任も少しでも少なく生きていきたい

そういう人たちです

盗難の被害者が来れば「被害届ではなく落とし物で届け出(遺失届)してもいいんですよ?」、と誘導する

(被害届よりも落としもの届の方が仕事量が5分の1くらいで済むから)

若い巡査部長には頭が上がらないから、威勢を張れる相手は唯一「新人」だけ。

警察学校を卒業した新人には「早く仕事を覚えたければ若い時に苦労しろ」などともっともらしいことを言って、大変な仕事は全部押し付ける

警察学校を卒業して最初にペアになる相手がこういう人だと本当に最悪です

新人がまた真似するようになってしまうし。

 

とにかくクビにならず給料さえもらえればいい。

被害者をなんとしてでも救いたい、力になりたい

そんな思いはもう何十年も昔に置いてきてしまった。

もちろん階級を上げて責任ある仕事をしたい、などという思いなど頭の片隅にもない

周囲から「あの年でまだ巡査長?」「あの年で専門分野ないの?」などと言われてもまったく気にしない

ある意味強靭なメンタルとも言える

残りの警察官人生いかに省エネで、仕事をしないで逃げ切るかしか考えていない

これが2つめのタイプ

いわゆる「ゴンゾー」と言われる警察官

もし警察に用があって行く時にはこの人たちにはご注意を

 

 

2、若くして上の階級に上がっていく人の2タイプ

 

次は先ほどとは逆で、若いのにどんどん上位の階級に上がっていく警察官たち

これも2タイプに分かれます

 

1、実務能力も高く階級の昇任にも意欲的な人

1つめは、仕事もできて階級の昇任にも意欲があるタイプの警察官です

自分の専門分野があり、大変な現場の経験も積んできている。

だからでかい事件が入っても慌てず冷静。

その姿のおかげで部下たちも冷静さを取り戻し、自分の力を発揮できる。

 

このタイプの多くは能力だけでなく、人間的な度量・器も大きい人が多い

部下に対して「失敗の責任はおれが取るから積極的な職務執行でいけ!」と言ってくれる

実際に何かあった時は部下を矢面には出さず自分が出ていく

部下たちからは信頼され、この人の下なら失敗してもいいから積極的に仕事していこうと思える

その人が自ら「実績上げろ!」などと言わなくても、全体の実績も上がっていく

 

まさに理想のような幹部ですが、現実にいました

ただしかなり稀少

私の短い警察官人生では、警部以上でこのタイプの人と仕事できたのは3人

一人は人生の恩人とも言える人

地域課の時の地域課長(警部)で、のちに私が希望する刑事課員になれたのはこの人のおかげ。本部の鑑識にいたプロで、本部鑑識課からも「早く本部に戻ってきて下さいよ」と引っ張りだこだった。連日捜査の進捗状況がテレビ報道されるような超でかい事件で、事件解決に決定的な仕事をしてきた経験もあり、どんなでかい事件が入ってもいつも冷静だった。

私がプライベートですごくつらい時があった時にも支えてくれた人生の恩人。何度も二人で飲みに連れていってもらったし、自宅にも招待してもらった。仕事だけでなくプライベートも思いっきり楽しむ人で、とんでもない過去の秘密も教えてもらった。警察官人生だけでなく私の人生の中でもっとも理想とする人。

二人目は今でも時々お会いしている人で、やはり刑事専門の人。今は大規模署の署長をやられている。やはり人間としての度量が大きく、部下を守り、プライベートは楽しんでいる。私も一緒に参加させてもらってます

もう一人は刑事課の時の副署長。刑事課長がひどい人間で、みんなパワハラに苦しめられ私もその一人だった。本当に一回追い詰められてやばかった時があった。本当にどうしたらいいかわからず苦しんでいた時、人柄が良さそうに見えて副署長に思い切って相談してみた

いきなり「ご相談があります」と行ったのにとても力になってくれて、刑事課長に「もっと部下の立場や気持ちを理解して対応しろ」と言ってくれた

あの時助けてもらえなかったら続けられていたかわからない。それほど追い込まれていたから、本当に助けてもらった存在。

 

このうち二人は自分の結婚式披露宴にも来ていただいた。

当時は同じ職場ではなかったのに快く出席してくれた。

 

若くて階級が高い人というと、自己顕示欲が高くて自分のために部下を使うような人をイメージするかもしれないけど、警察の中にもこういう素晴らしい人たちもいました。

 

続いてまったく逆のタイプ。

 

2、昇任欲だけはあるが能力も器もないのに幹部になってしまい害を撒き散らすタイプ

これはさきほどのゴンゾーより最悪なタイプです

仕事の能力は低い

さらに、人間としての度量の広さや器の大きさがあるわけでもない

それなのに上の階級に上がりたいという欲は強いため、昇任試験の勉強には打ち込む

結果、試験に合格し警部や警視などの階級まで上がってしまった

そういうタイプの人たちです

このタイプは警察にとっても、被害者や市民にとっても何一ついいことがありません

いいことがないどころか、広範囲に猛毒の害を撒き散らします

一体どんなことが起こるのか

 

能力も度胸もないから慌ててうろたえてばかり

このタイプの人は現場の仕事よりも昇任試験のお勉強を優先します

そのため実務スキルが低い。加えて度胸や度量もない

そのためちょっとしたことでもすぐにあたふたしてテンパる

また、上司や本部からの評価が何よりも大切だから、自分が適切な指揮をしたことを必ず顕示したい。

一人でテンパってるならいいけど、それを部下に当たり散らしてくるから目も当てられない

怒鳴り出す、部下のせいにする、かといって的確な指示や意見も出せない

忙しく事件対応している署員にとって邪魔でしかない

完全に白い目で見られてるけど、階級だけは高いからみんな「はい」「はい」言うしかない

 

そういうさまを見てると、

なぜこの人はこんな自分に合わない階級になりたかったんだろう、と不思議に思えてくる。

しかしその答えがわかった時がありました。

それがこの一言

「おい!今月こんな検挙数じゃ何も表彰されねぇだろうが!おれが来た職場でそんなこと一度もないんだぞ!」

これが彼らの出世モチベーションの理由だったのです

もうこのタイプの幹部がいると百害あって一理なし

 

自分のために部下を使うことしか考えてない。

仕事ができない上に、小さなことでくよくよするから、休日に出勤することも多い。

自分が出勤している時は部下が休日の日であろうと、平気で電話をかけてきたり、ひどい場合には呼び出すこともある

そのくせ何かあった時は、上司の命令ではなく自主的に出勤したという形にする

こういう警部や警視がいる職場では次々にうつ病で療養になる警察官が出ます

 

どこの職場からも「あいつは絶対来ないで欲しい」と言われ

異動の発表で自分達の署に来ることがわかると、「ヤバイぞ」「何人療養者が出るかな」などと言われる

警部や警視なのに「〇〇署が面倒を見ることになった」などと言われる

これが2つめのタイプです

 

高い階級の警察官といってもまったく真逆のタイプが存在するのです

どこの職場にも一人はいるというほど生息範囲は広くはないですが、タイプ1の理想的な幹部警察官より少し生存数は高い感じ

 

以上、警察官の階級と年齢について

年長者なのに巡査の2タイプと、早くして高い階級の登っていく警察官の2タイプでした。