元警察官ケイの警察ブログ

市民側からはわからない警察官の本当の姿を伝えるブログ

警察官の仕事その① 「地域部・地域課」(交番・パトカー等)

今回は警察官の仕事にはどんなものがあるかを紹介します。

私が警察学校を卒業して警察署に配属になると、そこはいくつもの課に分かれていました

警察官の仕事といっても各部・各課によって仕事の内容は全然ちがいます。

↓例えばこちらは警視庁の組織図です↓
警視庁ホームページ

警務部、刑事部、交通部・・・・・・

それぞれ仕事内容はまったく別物です。

 

警察組織には大きくわけて、「本部」と「各警察署」があります。

本部の中に「地域」「刑事」「交通」「生活安全」などの各部があります。さらに各警察署の中にも「地域課」「刑事課」「生活安全課」などの各課があります。

私が経験したのは警察署地域課の交番・パトカー、刑事課、本部警備部の機動隊等です。

 

今回は地域部・地域課の仕事内容を紹介していきます

 

地域課地域部

地域課の業務は主に4つ

交番・駐在所
パトカー
無線指令
庶務

となります

 

1、署にいることはほとんどない交番・パトカー

交番・パトカー勤務の警察官は、勤務時間中に署にいることはほとんどありません。

署の外に出て街の中にいて、通報現場に1秒でも早く駆けつけることが最重要任務です

 

①交番・駐在所

交番は誰でも知っている通り、街中にある小さな警察官の拠点です。

交番

市民にとってもっとも身近な警察官です

窃盗や傷害などの犯罪被害だけでなく、落とし物や道案内、交通事故処理まで対応します

110番が入ると、刑事事件でも交通事案でもとりあえず最初に現場に向かいます

警察の何でも屋です。

 

②交番と駐在所のちがい

交番と似た警察組織で駐在所というのがあります

機能的には交番とほぼ同じですが、交番とのちがいは警察官の自宅が一緒になっていることです。

交番があって、その後ろに勤務する警察官の住居が合体している。

そこに警察官とその家族が住んでいる。

これが駐在所です。

駐在所は駅前や繁華街にあることはほとんどありません。

いわゆる田舎にあることが多いです。

 

③交番パトカーのもっとも重要な役割

地域課の交番・パトカーは警察官の仕事の中でもっとも現場の最前線にいる業務になります。

そのためもっとも大切な役割は現場にいち早く駆け付けること

になります。

110番通報などによって、警察にはいろんな事案が飛び込んできます。

交通事故、盗難、ケンカ、死体発見・・・。

事案によって交通課の担当、刑事課の担当など、どの専門課が扱うかは異なります。

交番やパトカー勤務員はどんな内容の事案であっても、とにかくまずは現場に急行して、最初に必要な措置をとります。

現場によっては、放置していてはどんどん現場の状況が変化して、捜査に必要な証拠や目撃者が失われていきます。

1秒でも早く現場に警察官が到着し、必要な措置を優先的に講じていくことがとても重要です。

犯人の検挙にについても、現場付近で犯人を確保することがもっとも理想的です。

警察の仕事は発生から現場到着までのスピードがとても重要なのです。

これを担うのが交番やパトカーなどの地域警察官たちになります。

私も慣れるまではとても大変でした。

急ぐあまり大きなミスをしたこともあります。

最初の頃は現場に着いても、まず何をすればいいのかもわからない。

ただあたふたしていたものでした。

地域課警察官は基本的には制服勤務です。

制服警察官が行かない方がいい事案以外についてはすべて真っ先に向かいます。

 

二つ目の大切な仕事

交番パトカー警察官の二つ目の重要な仕事は、パトロール&職務質問です

通報現場に向かうのは、言ってみれば受け身の仕事

しかし、パトロール&職質は攻めの仕事です

不審者、不審車両などに自らを声をかけて、犯罪者を検挙したり、

交通違反を取り締まったり

深夜に少年に声を変えて少年歩道をしたり

これが2番目の大切な仕事です

 

その他にも、巡回連絡といって家庭や会社を訪問したり、落とし物や遺失届を受けたりなど、交番パトカー警察官の扱う仕事はたくさんあります

 

 

2、警察署で勤務する無線指令係と庶務係

地域課の中でも警察署の中で勤務する係があります。それが無線指令係と庶務係です

①無線指令係とは

無線機

警察に入った110番を、交番やパトカー警察官に指令する仕事です。

3丁目で交通事故の110番、3丁目交番の警察官は向かえ

1丁目でケンカの110番、パトカー1は向かえ

こういった通報への割り振りを行うのが無線指令係です。

警察署の中にある無線指令機器を使って、交番員やパトカー勤務員などに指令を出します。

 

110番の仕組み

ここで簡単に110番の仕組みについてふれておきます

そもそも110番通報を受けるのは各警察署ではありません。

都道府県警察本部の地域部の通信指令課というところが110番通報を受けます。

ここには都道府県内の通報が全て入ってくる。

110番通報を受けた本部の通信指令課が、現場の場所を管轄する警察署に通報内容を伝えます。

それを受理するのが警察署の無線指令係です。

110番通報を受理した無線指令係は、交番員やパトカーに指令します。

そのため、110番によってどこでどんな事案が発生したのかを警察署の中でもっとも早く知ることができるのが、地域課の無線指令係です。

110番の仕組みについてはまた別の記事で詳しく書こうと思っています

 

②庶務係とは

警察署の中で勤務する庶務係の仕事は

交番やパトカー勤務員の装備品の管理や点検

交番やパトカー勤務員の業務実績や事件事故数などの統計業務

など

こういったデスクワークを行うのが庶務係です

 

 

3、警察本部の地域部にある組織

最後に、都道府県警察本部の地域部にある仕事を並べておきます

鉄道警察隊
航空隊(ヘリ)
水上警察(船)
自動車警ら隊(パトカーでパトロールして、職務質問や事件事故現場対応を行う)

 

これらはすべて基本は制服勤務です

(鉄道警察など私服で痴漢や盗撮を検挙する場合もありますが)

 

 

これが地域課・地域部の仕事です

警察の中で一般市民のもっとも近くにいる存在。

それが地域課の警察官です。