今回は、警察官になろうか迷っている、という人のために、公務員になることのメリットとデメリットをまとめました
公務員は今でも一部の人から高評価を受ける職業です
子どもには親の敷いたレールの上を歩ませていきたいという支配欲の強い親、また公務員は安定しているという昭和価値観の人たちにとって結婚相手の職業として今でも上位に入ります
実際、公務員になるとどんないいことがあるのか
また逆にデメリットは何か
警察官も公務員なのでまとめてみました
メリットその1 安定
安定といっても人によってとらえ方はちがいます
好きなことにチャレンジし続けることを安定と考える人もいるでしょうし、先のことなんてわからないから楽しいと考える人もいます
逆に、変化や浮き沈みが少ない、先のことが見通しやすい、こういったことを安定と考える人もいます
公務員が安定していると考える人の多くは、後者の方だと思います
変化や浮き沈みが少なくて、将来見通しやすいことを安定と考える人にとっては、確かに公務員は安定しているといえます
①どれだけ仕事能力が低くても解雇されない(終身雇用)
②倒産がない
③給与は確実に増えて減ることは(ほとんど)ない
(例外として、東日本大震災の時期間限定で下がりました)
メリットその2 社会的信用は抜群
住宅ローンやクレジットカードを申し込むとき、その人が信用できるかどうか調査されますね
公務員は最強です
住宅ローンなんていくらでも借りられます
もっと借りて下さいって言われます
しかも、公務員だけの低金利なんてものがあったりもします
他にも保守的な人や年長者には公務員の権威は抜群です
例えば、女性が結婚相手を親に紹介する場合、
年収600万の公務員と、年収1000万の自営業者だったら、年収600万の公務員の方が安心だという考える古い人はまだまだたくさんいます
公務員と言うだけで立派な人柄なんだと思い込んでしまう人までいます。
古い価値観を持っている人に対してほど、公務員ブランドはまだまだ抜群です
メリットその3 福利厚生は良い・・かも(私は微妙だと考える)
例えば年金と退職金
公務員の場合、公務員共済年金が加わるから受給額は多い
退職金は、定年まで勤めれば2千万円前後はもらえる(これから減ると言われてるけど)
でもこの部分だけで、公務員の福利厚生はやっぱりいいんだと思うのは間違い
なぜかというと、結局その分たくさん払ってるからです
給与明細見ると、驚くほどいろんなものが引かれています
数万円単位の項目でかなりの金額が引かれています
退職金が多くていいなんて思うのは全然ちがくて、強制的に給与から取られていた分を退職時に返してもらってるだけなんです。
しかも年金なんてこの先完全に終わってるわけですよね
そもそも賦課方式なんで、自分が払った分をもらうという考え自体は間違っているのですが、
今の若い人たちは、今の高齢者のために年金を強制的に盗られているのに、自分たちが高齢者になった時は、同じことをしてもらえないわけです
だったら、国民年金に加えて共済年金や厚生年金でさらに高額盗られるより、自営業で国民年金踏み倒す方が被害が少なくて済みますよね
しかし、公務員はそんな選択はできません
老後は自己責任でいいから、年金は払わないという選択はできません。
強制的に高額な保険料が引かれる。
福利厚生はいいように見えるけど、それは自分たちが強制的に負担させられているだけ
だから私は、公務員の福利厚生がいいとは言い切れないと思うのです
デメリット
デメリットその1 負け犬人生送ってる人たちから妬まれやすい
警察官の時、何度も言われたことがあります
「こんな違反取り締まって公務員はヒマでいいよな」
「もっと働けよ税金泥棒」
公務員に「税金ドロボー」と言ってくる連中に必ず共通している点があります
・低所得、教養がない、
・税金は払った額よりも税金で助けられている額の方が多い
・自分が低所得で能力がないことを、自分の責任ではなく周囲や社会のせいにしている
・自分でどうにもできないため他人を妬むことしかできない
こういう人たちばかりですね
時には身近な知人から言われたこともありました。
私はこれで学生時代の友人をバッサリ切ったことがあります
なにかにつけて
「いいよなぁ公務員は」
「民間は大変なんだぞ」
「おれも公務員にでもなればよかった」
うっとおしくなったので、私から連絡することななくなりました。
元々友人の少ない私は、これで友人は3人だけになりました。
このように、みじめな人たちから誤解や偏見を持たれて不愉快な思いをすることがあります
まぁ2ヶ月もすればいちいち腹も立たなくなるし気にもならないのですが、最初の頃はストレスになることもあります。
逆に自分の力で充実した人生を送っている人たちからは、暖かい言葉をもらった記憶が多いですね。
今でもよく覚えているのが空き巣の通報で現場に行ったらものすごい豪邸。
被害者はいかにも品のある40代の男性。自営業でした
おそらく年収は警察官の数倍
私たちが慌ただしく実況見分をしている時に言われたのが
「警察の仕事って大変なんだね」
「他の人がやりたがらないことをあなたたちがやってくれるからうちらが好きな事できるんだよね」
「税金払ってもムダじゃないなぁって思ったよ」
というようなことを言われました
やっぱりこういうこと言われると嬉しかったですね。
他人を妬んでばかりの人たちには一生気が付かない発想ですね。
税金泥棒とかいう連中は、低所得だから所得税ほとんど払ってないのに言うんですよね。
これはデメリットでもありメリットともいえるかもしれませんね
デメリットその2 年功序列賃金によるモチベーションの低下
年功序列賃金
つまり長年勤務してきた人ほど給与が高い
これは逆に言えば、若手はどれだけ優秀な仕事をしても給与は低いということです
どれだけ情熱をもって仕事に取り組んでも、ろくに仕事もしないでボケーっとしてる年長者の方が高額な給与をもらうわけです
これは時々バカらしくなり、仕事へのモチベーションを低下させます
私も何度もそういう思いを抱いたことあります。
被害者にできる限り寄り添って、犯人検挙に必要な情報を少しでも得ようと時間を掛けて被害届を作成した後、ただ隣で聞いていただけの年長警部補から
「あんなの被害届受けないで相談で終わらせれば10分で終わるだろう」
と言われた時は、
こいつがおれより高額給与もらってるのは許せん
と思ったものです
もちろん高額給与にふさわしい優秀な年長者もたくさんいました。
しかし、どれだけアホでも年長なら高額給与、どれだけ優秀でも若手なら低い給与。
これは公務員の世界では受け入れなくてはいけない現実です
この年功序列って、若手・年長者の双方のモチベーション低下を招くというW弊害を引き起こしています。
一部の年長者はこう思う
「仕事をしなくても若い奴よりいい給与がもらえる。だったらなるべく楽(ラク)しよう」
若手はこう思う
「どうせがんばっても、サボってる年長者の方がいい給与もらうんだ。頑張る気なくなるな」
結果的に、若手も年長者もモチベーションが落ちる。
公務員になるならこの年功序列賃金は覚悟しておかなくてはいけないことです。
公務員になるんだったら報酬は気にしてはいけない?
そんなのきれいごとですよ。
報酬が多い方が仕事のモチベーションが上がるというのは、公務員だろうがプロスポーツ選手だろうが絶対同じです
自分は年齢に関係なく能力で評価されたいという人は、別の仕事を選んだ方がいいでしょう
若い人が社長をやっているベンチャー企業などは、年齢に関係なく能力で給与が決まるところも多いので、そういうのを好む人は公務員には向いてないでしょう。
デメリットその③ どんなに仕事しても給料は知れている
公務員はどんなに仕事をがんばって成果を出してももらえる給与額には限界があります
まぁこれは民間も同じではありますが、公務員は特に天井が低い
大手企業に就職するのが幸せとも思いませんが、大手企業の給与と比べたらどんなにがんばったところで半分もいかないでしょう。3分の1くらいの場合もある
ましてや警察官は超長時間労働&過酷なブラック勤務
その対価としてもらえる給与額はかなり少ない
お金をたくさん稼ぎたい
若いういちにたくさん稼いで早くファイヤーしたい
そんな人生を目指している方は公務員では叶わないですね
ファイヤーしている方もいますが、出費をギリギリまで詰めたり、そういう厳しい自己管理を実現できている人だけです
若いうちから年収1500万以上目指したい人は公務員では無理ですね
デメリットその④ 意思決定が遅く、自分の意見で組織を変えることなどほぼ無理
公務員はどこも巨大組織です
各都道府県警察の人員は数万人規模だし、県庁、市役所だって数千人規模がほとんど
そのためまぁ動きが遅い
何かを決めるにもいちいち決裁
巡査部長→警部補→警部→副署長→署長
内容によってはさらに本部まで
もう数週間が経っている
さらにそれだけの決裁が回った挙句「今回は要検討とする」などとされて結局実行されなかったり
そのため「ここを変えたい!」「もっと良くしたい!」と意気込んでいた若手もやがて
「どうせまたダメだろう」「決定がされる頃にはとっくに手遅れになってるだろう」「何か言うと面倒なことになるだけだからやめておこう」
こうなっていく
自分らしさを発揮してどんどん新しい挑戦をしていきたい!
そういった人は公務員界に入ってもつまらなくて1ヶ月で辞めることになるでしょう
以上公務員のメリット・デメリットについてまとめてみました
警察官になるかどうかのひとつの参考にして下さい