元警察官ケイの警察ブログ

市民側からはわからない警察官の本当の姿を伝えるブログ

元女性警察官に聞いた女性警察官の特有の苦労。110番で下着の色を聞かれることも

前回の続きで、引き続きこちらの方↓元女性警察官のミサさんから聞いたお話を紹介していきます

女性の警察官ということで、仕事で扱う対象者からバカにされたりナメた態度を取られたりしたことはありましたか?

そんなの日常茶飯時でした

女は引っ込んでろ、とか言ってくるわけのわからない男もいましたし、

職場だったら完全にセクハラになるようなこともたくさん言われました

私は通信指令課で110番受理をしていたのですが、110番してきた男から「下着の色は?」と言われた時もありました

 

ホント世の中にはクズ男がたくさんいますね。

 

ちなみにそういう時は何て返すんですか?

 

普通に「なんであなたにそんなこと言われなきゃいけないんですか?今関係ないですよね」と冷静に返してましたね

 

そういう頭おかしい通報はたくさんありましたね

110番は約4分の1が問い合わせなどの緊急性の無い通報ですから

こういう人たちからの無駄な通報の方が多いくらいです

 
私も警察官になって驚いたことのひとつに、110番てこんなくだらないものばかりなのか、っていうのがありました。女性の受理担当はそういうストレスもあるんですね。
 

次にお聞きしたいのは、女性は単独で行動できないといったことはありましたか?

私のいたところでは、女性の白バイ隊員は一人で取り締まりには行けないなどの危険防止策がとられていました

例えば交番勤務などで、一人でパトロールや通報の現場には行くなと言われているとか、ありましたか?。

 

ほぼなかったですね。

交通事故の通報とか危なくない事案は一人でも全然行ってました。

 

交通違反取締りや職務質問などの職務執行はどうでしたか?

 

取り締まりも一人でやってました。

酔っ払いやケンカなどの危険な現場はすさがに女性一人で行くことはありませんでしたが、それ以外は全然単独で現場行ってましたね

でも、今は男女問わず単独で動かないよう全国的に指示が出されているはずです。警察官が襲撃されてけん銃が強奪されるなどの被害が続いたことで、単独行動はしないように徹底されているはずです。

 
女性単独でも現場に行ってたんですね。

警察官が襲撃される事件、確かに続いたし、最近も数人の警察官相手に刃物で襲ってきて警察官が受傷した事件がありましたね。

次にセクハラ関係についてお聞きします。

警察組織は古い体質だし、男ばかりだし、セクハラはかなりひどいというイメージがありますが、職場でのセクハラはどうでしたか?

 

もちろんありましたね。

飲み会でもいろいろありました

中には犯罪として事件化できそうなくらいの行為もありました

 

それほどのひどいセクハラ被害で、職場に言おうとは思わなかったのですか?。

 

言わなかったですね、そういうことをされたと知られる方がイヤでした

上司たちにバレるのがイヤで、黙っていることにしました。

 

交番勤務中もありました

トイレが一つしかない交番で、先輩の既婚男性から

「トイレ事情どうしてるの?大きい方する時はどうしてるの?」

などと言われました

その人はジャイアンタイプの人で、それを聞いて私の反応を楽しんでいるというよりは、そんなことまで聞けるオレすごいだろ、そこまで聞ける関係性になってるおれはすごいだろ、というのを誇示したくて聞いてきてる感じでしたね
 

そうですか、ただのセクハラですごくもないんでもないんですけどね。でもいますよねそういう人。

女性警察官の交番勤務で思い出したことがあるのですが、装備品重くて大変じゃないですか?無線機にけん銃に警棒に、あれ男でもかなり重くて大変でしたが。
 

それはもう重くて大変です

特に女性は腰が細いので、ベルトの長さが男性より短くなりますよね。その分装備品がキツキツになるんです。

防刃はサイズがS,M,Lとあって、サイズが小さければ軽くなるんですが、装備品は男女で重さ一緒なので、女性には本当に重いです

けん銃も基本同じだし、なんで装備品が男女同じなわけ?っと思ってました

 

男でも重くて全力疾走できないくらいでしたからね。女性用の小型化軽量化されたものを開発してほしいですね。

 

警察学校のことについてもお聞きしたいのですが、まず寮はどんな環境でしたか?

 

女子寮は勉強部屋と寝る部屋が別々にあって、勉強部屋は4人一部屋、寝る人は二人一組だけど、ちゃんと仕切りがあってプライベートな空間はちゃんとありました。

 

私のいた男性寮と比べるとかなりいいですね。私のいたところは、入院病棟みたいな感じで8人部屋でカーテンの仕切りすらなく、プライベート空間は皆無でしたので。

 

訓練やトレーニングはどうでしたか?基本男性と一緒だと思うのですが。男性基準の負荷は大変ではなかったですか?

 

そうですね、

筋トレや走る距離は男性と同じでした

でも、男性についていけない場合などはさすがに大目にみてくれてました

 

警備訓練(機動隊訓練)も男性と同じ装備でやりましたか?

 

盾は女性用に男性半分の重さのものがあって、それでやりました。でもそれ以外のヘルメットや鉄板入りの警備服は同じものでやりましたね

 

 

次はプライベート関係についてお聞きします。

女性警察官の彼氏や結婚相手はやはり同僚が多いですか?

 

もう99%同僚ですね、中でも上司や先輩が多いですね

自分よりも仕事ができるからかっこよく見えるんでしょうね

 

99%同僚ですか、私のところもそうでした

同僚以外の出会いではどういうケースがあるのでしょう。

女性警察官たちで合コンに行ったりするんですか?

 

合コン行ってましたよ。

 
その時って、「私たち職業は警察官です」って言うんですか?
 

んーあんまり言わないようにしてました

やっぱりちょっと言いづらいんですよね

やっぱり警察官とは言いづらいんですね。男の私たちでもそうでした。女性はもっと言いづらそうですよね。これも女性警察官ならではの悩みかもしれませんね。
 

お話聞かせていただいていろんな苦労や悩みがたくさんあることがわかりました。

では最後になりますが、苦労や悩みも多い女性警察官という職業ですが、女性の警察官にしかできない仕事もたくさんあります。女性警察官のやりがいや必要性について聞かせて下さい。

 

通信指令課(110番の受理と指令をするところ)勤務の時、女性からの性犯罪被害の通報がありました。

最初は男性警察官が受けたのですが「女性警察官が聞くこともできますがどうしますか?」と聞いたところ被害者は女性警察官からの聴取を希望したため、急いで私が代わったこともありました。

また交番勤務の時には、自分の担当エリア外であっても、性犯罪が入ると署から「とりあえず行って」と言われて行ったことはたくさんありましたね

 

 

女性を狙う卑劣で醜い男たちがいなくならない限り、女性警察官にしかできない仕事がなくなることはないですね。

他にも覚醒剤被疑者は採尿するから、女性被疑者の場合は女性警察官が必要だし、女性にしかできない仕事はたくさんあるでしょうね

ミサさん、今回はありがとうございました

女性警察官として約11年勤務されたミサさんに「女性警察官の大変さ苦労」を聞きました

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